2022年02月19日

鬼の目にも大粒の涙

大分経過してしまいましたが
私が大切にしてきたイベント「節分」について
忘れたくないから書く

5歳の息子と2人暮らしになって欠かさず毎年
2月3日は豆を投げ、数え年の大豆をむせながら食べて来た

鬼のお面を変わりばんこに被り、玄関とベランダから寸劇を繰り広げる

小さい頃は喜んでいた息子も18歳
最近は自分の部屋に篭り、母との時間より会ったことも無いオンライン上の友達との時間を大切にしている

息子の為に企画して来た季節ごとのイベントは今年が最後と、いちいち覚悟を決めるも
果たして最後の豆まきを一緒にしてくれるだろうか

1月の中旬からソワソワ福豆を仕込み、それとなくテーブルの上に飾る
2日前から「明後日は節分だねぇ、恵方はどっちかね」などとわざとらしく呟いてみる

そして当日、テーブルに恵方巻きの材料を並べながら「鬼、どっちがやる〜?」と話しかけた

「え?やらない」
「茶番だよ」
「前からずっとやりたくなかった」
「鬼の面被らなくても、充分鬼だよ」
と、散々な言われよう

可愛かった幼児の頃の姿、走馬灯
目の前の18歳は、本当に私が育てたのか
あんなに嬉しそうにニコニコ笑ってくれた私の息子は何処に行ってしまった

今まで知らなかった行事を
一緒に経験しながら息子と一緒に、幼き自分も育ててきた

アダルトチルドレンの母だけが未だ成長しきれていないでポツンと佇んでいる

そう知った途端に悲しくて寂しくて泣けて来た

シクシク泣き出す母を見てビックリする息子
笑いながら母の背中をトントン叩き
「悪かった、悪かった、一緒に豆まきしような」なんて言ってイソイソと厚焼き卵を焼き出して恵方巻きを作ってくれた

鬼の目にも大粒の涙

無言で恵方を向きながら太巻きをモグモグする息子の後ろ姿を眺めながら毎年願って来た事は変わらない

この子が無事に幸せに過ごせます様に
この手から離れて行っても、毎年祈るのだろう

機嫌を直した母は息子の気持ちも大切にしようと改め星一徹路線に変更
鬼の目にも大粒の涙

鬼の目にも大粒の涙
命中するまで福は来ません

鬼の目にも大粒の涙
あぁ、とっくに昔から豆を撒かなくても
我が家には福だらけだったの知ってたくせに
確かに茶番だね



Posted by 作本 純子 at 23:22
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